中絶手術による、心と体の痛み

中絶手術を受けたのは、妊娠11週目になってから

私が中絶手術を受けたのは、妊娠11週目になってからでした。
元々生理不順ということもあり、妊娠に気づくのが遅れてしまいました。
妊娠がわかってから、つきあっていた彼に相談しましたが、相手は結婚していた人だったので、中絶を選択しました。
産婦人科は私にとって初めての受診で、まず、尿検査や診察、内診という順番で行われました。
先生と話をして、やはり経済的に一人で育てる自信がないということから、中絶手術を受けることにしました。
問診を受け、内診室へ移動しました。
内診室はとても狭く、仕切のカーテン越しに、看護師さんの指示で下着を脱ぎ、スカートをあげて内診台に座りました。
先生がきて、声がかかり、先生の指示で膣の中に入り、観察しているようでした。
その後超音波診断装置の棒状のプローベが、膣内に入り、胎児の様子を観察しました。
このとき少し痛みを感じました。
内診は5分程度で終わり、診察室へと移動しました。
看護師さんから中絶手術の説明があり、中絶手術の承諾書を書いて、診察を終えました。
手術は、3日後に行うことに決まりました。
その3日は、赤ちゃんに対して申し訳ない気持ちでずっと涙が止まりませんでした。

中絶手術の痛みはありませんでした

学生時代に望まない妊娠をしてしまいました。
相手は、アルバイト先の店長でした。
深夜まで一緒に仕事をしている中でそういう関係になってしまったのです。
店長は、27歳ということもあり妊娠がわかると「結婚してほしい」と言ってきたのですが、私のほうはその気はありませんでした。
なぜなら、大学を卒業したらやってみたい仕事もあったし、この若さで結婚して子供を育てるということは自分の中で考えにはなかったのです。
子供を産んでしまったら、今まで頑張ってきた自分が無駄になるとも思いました。
お腹の赤ちゃんのために夢や希望などをすべてなくして、店長と生きていくことができないということが最終決断でした。
「産む気はない」と店長に告げると、店長は「結婚しよう」と諦める気配はありませんでした。
毎日、「考え直して。赤ちゃんも君も幸せにするから」と言ってくれたのですが、私の心は変わりませんでした。
すると、さすがに諦めたのか、「中絶手術の費用だけでも出させて」と行ってきました。
知り合いの年上の女性に頼み、産婦人科に連れて行ってもらいました。
そこで、「中絶手術の同意書」をもらい、店長にサインしてもらいました。
店長は泣きながら「本当にこれでいいんだね」と言いました。
その姿を見たときにはさすがの私も「この決断はよかったのだろうか?」と悩みました。
「この人とおなかの赤ちゃんと幸せになったほうが良いのではないか」と思いだしたのです。
でも、私に期待をして、お金があるわけでもないのに、母もパートを掛け持ちしてまで私を大学まで進学させてくれたのに、親のことを思うと「子供ができた」とはいうこともできませんでした。
私のほうは、両親の筆跡をまねして内緒で印鑑を借りて押しておきました。
中絶手術の当日は知り合いの女性が付き添ってくれました。
一人では不安だったのでとても助かりました。
手術の前日までは「やっぱり痛いのかな?」と不安でしたが、当日は全身麻酔での手術だったので痛みはありませんでした。
ただし、麻酔が切れた後には子宮のあたりがうずくような痛みがありました。
まるで、生理痛のような痛みです。
また、私の心も同時に痛みました。
お腹の赤ちゃんには何も罪がないのに、自分の都合でこんなことになってしまったことを後悔しました。
「望まない妊娠はするべきではない」ということを実感しました。
しばらく、出血が続いたのですがその後少なくなり安心しました。
術後の経過も良くて、産婦人科での健診も無事に終わりました。
中絶手術をしたことで、なんとなく、バイト先でも店長と気まずい関係になったこともありバイトはやめてしまいました。
その後は、勉強やアルバイトに精を出す日々が続きました。
「中絶手術のことを忘れよう。忘れてしまいたい」という気持ちがあったのかもしれません。
今は、結婚して二人の子供に恵まれています。
時々、あの時、もし「産む」と決断していたら、「あの子と私は幸せな人生を送れたのだろうか」と思うことがあります。
やり直すことができないのが人生ですが、あの時の決断は正しかったのかいまだにわかりません。
でも、あの子にできなかったたくさんのことを、今いる二人の子供に注いであげようという気持ちはあります。
セックスをすることは簡単なのですが、しっかりと否認しないと自分の人生の中にしこりを残してしまいます。
私が「中絶手術をしよう」と思った要因には「好きな人の子供ではない」ということが大きかったようです。
好きでもない人とセックスしてしまったことの愚かさに自分自身を責めました。
大切な生命を自分で泊めてしまったという罪を一生忘れずに、これからも生きていきたいです。

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